いきなり壁にどどーんと絵が描いてありましたよ。ここはプサンのアンチャン・マウル。別名アート村とも呼ばれている一帯です。どうして、アート村か、というと芸術家がたくさん住んでいるというわけではなくて、まちのあちこちにこんな絵が描かれているからなんですね。
もともと、このエリアは달동네・タルトンネと言われています。タルトンネ、日本語にすると「月の街」という意味なんですけれど、ロマンチックではなくて、月に届きそうなぐらい坂の上に住んでいる、ということからつけられたそうです。
山の斜面に沿って小さな家が折りたたまれたように建っています。その家々をつなぐ路地も、でこぼこ。まがりくねっています。この風景を見て、韓国の被爆者のことを思い出しました。病気がちでしっかりと働くことができない被爆者もやっぱり、坂の上の小さな家に住んでいる人が多かったのです。小さな家で貧しく、ひっそり住んでいる人が多かった。そんなことを思いながら歩いていたアンチャンマウル。
そんなエリアを盛り上げようという公共プロジェクトが行われ、芸術家や美大生が参加。家の壁などに絵が描かれるようになったそうですよ。
なんか、住んでいる人たちとうまく調和しているような気がしました。イイ感じ。
壁の一部をうまーく使っていますよね。こんなクスクスと笑えるような絵が多いような気がしました。
でも、うろうろと歩いていると気づいたのは、ここは生活の場、だということ。ついつい、写真を撮ったり、散策したくなっちゃうけれど、あくまでも人さまの生活の隣りを行くんだ、ということは気をつけなきゃね。
そんなアンチャンマウルへは、西面からタクシーやマウルバスに乗っても行けるけれど、今回、のんのんは地下鉄1号線で西面の隣りのポムネコル駅から29番の市内バスに乗りました。7番出口を出るとすぐにバス停。坂をぐんぐん登って10~15分で終点です。一度、「アンチャンマウル入口(イルグ)」というバス停がありますが、ここではなく、終点の「アンチャンマウル」まで行くと、その周りにあちこち、アートが広がっています。探して回るもの楽しいですよ。
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